ヴィンテージカルティエについて調べていると、
「ETAムーブメントが良い。」
「Jaeger-LeCoultre製だから価値が高い。」
「Piaget製は希少。」
そんな言葉を目にすることがあります。
もちろん、どのムーブメントが搭載されているのかを知ることは、ヴィンテージウォッチを楽しむ魅力の一つです。
しかし、私たちはムーブメントのメーカー名だけで、カルティエの価値を判断することはありません。
カルティエは、ムーブメントだけを見るのではなく、時計全体の美しさを見てほしいブランドだからです。
カルティエが大切にしてきた時計づくり
現在のカルティエでは、自社製ムーブメントを搭載するモデルも数多く展開されています。
一方、ヴィンテージカルティエには、ETA、Jaeger-LeCoultre、Piaget、Peseuxなど、さまざまなメーカーのムーブメントが採用された時計があります。
大切なのは、「どのメーカーだから優れている」ということではありません。
カルティエが、その時計にどのようなデザインや着け心地を求め、そのためにどのようなムーブメントを選んだのか。
私たちは、そこにカルティエらしい時計づくりが表れていると考えています。
ムーブメントは、時計を完成させる大切な要素
カルティエの時計には、さまざまな形があります。
タンクのようなスクエアケース。
ロンドのようなラウンドケース。
サントスのようなスポーティーなデザイン。
そして、薄くエレガントなドレスウォッチ。
それぞれのデザインを美しく完成させるためには、その時計に適したムーブメントが必要です。
例えば、薄くエレガントな時計には、ケースの美しさを損なわない薄型のムーブメントが求められます。
一方、日常的に使う時計であれば、安定性やメンテナンス性も大切になります。
つまり、ムーブメントは単独で評価するものではなく、カルティエが目指した時計を完成させるための重要な要素なのです。
ETAだから良い、Jaeger-LeCoultreだから良い、ではありません
ヴィンテージカルティエでは、搭載されているムーブメントによって注目されることがあります。
もちろん、それぞれのムーブメントには異なる特徴があります。
しかし、ETAだから優れている。
Jaeger-LeCoultreだから価値が高い。
Piagetだから良い時計。
私たちは、そのようにメーカー名だけで判断することはありません。
ヴィンテージウォッチは、同じムーブメントを搭載していても、一本一本コンディションが異なります。
ケースの状態。
文字盤のオリジナル性。
ムーブメントの状態。
これまでどのようなメンテナンスを受けてきたのか。
そして、これから先も安心して使い続けられるのか。
それらを含めて、一つの時計として見ることが大切です。
初めてなら、ムーブメントから選ばなくても大丈夫です
初めてヴィンテージカルティエを選ばれる方であれば、ムーブメントの違いを難しく考える必要はありません。
まず考えていただきたいのは、
- どのようなデザインが好きなのか。
- どのような服装に合わせたいのか。
- 仕事と休日、どちらで使いたいのか。
- 毎日気軽に使いたいのか。
- 時計を操作する時間まで楽しみたいのか。
こうしたことから考えていくと、ご自身に合ったモデルが少しずつ見えてきます。
そして、気に入った時計が見つかったら、その時計にはどのようなムーブメントが搭載されているのかを知っていく。
それくらいの順番でも良いと、私たちは考えています。
ムーブメントからカルティエを選ぶのではなく、好きなカルティエを見つけ、その時計の中身を知っていく。
そうすると、ヴィンテージカルティエをより深く楽しめるようになります。
時計全体を見ること
ヴィンテージカルティエの魅力は、ムーブメントだけではありません。
ケースの形。
文字盤のデザイン。
腕に着けたときの美しさ。
そして、その中で時を刻むムーブメント。
すべてが組み合わさって、一つのカルティエが完成しています。
だから私たちは、ムーブメントメーカーの名前だけで時計を評価するのではなく、一本の時計としてどれだけ魅力があるのかを見ることを大切にしています。
20年以上時計を見続けてきた私が、なぜヴィンテージカルティエを選び続けているのかについては、 「私がヴィンテージカルティエを選び続ける理由」 でも詳しくご紹介しています。
Ante's Philosophy
ムーブメントを知ることは、ヴィンテージウォッチの楽しみの一つです。
しかし、それだけで時計の価値が決まるものではありません。
デザイン、状態、オリジナル性、使いやすさ、そしてムーブメント。
そのすべてを含めて、一つの時計を見る。
私たちは、それがヴィンテージカルティエと向き合ううえで大切なことだと考えています。
※ヴィンテージカルティエに採用されたムーブメントには、年代やモデルによってさまざまな種類があります。今後のOwner's Cartier Guideでは、ETAをはじめ、それぞれのムーブメントについても詳しくご紹介していきます。




